ー SS通信 KSK ー

2024/06/24 人は、まちがい、忘れ、うっかりするものだ

 高文連の将棋大会に顧問の先生が期日までに申し込むのを忘れてしまったために、その高校の将棋部の生徒達が出場できないという出来事があった。もう終わったことなのに、今更と思われる方もいるかもしれないが、多少とも将棋に関わっている者として、やはり違和感をいつまでもぬぐえない。それ故に書くわけではないが、私達の日常生活の中で似たようなことが多々起きる。この件を教訓として自戒をし、将棋という文化を大切に発展させることにつながることもあるのではないかと思い、この場をかりて述べてみたい。

 人は誰も、まちがい、忘れ、うっかりする存在である。これは悪意とは関係ない。そうしたミスを防ぐためどうするか、万が一起きてしまった場合、どう対応するのか、ということを不断に考え、意識し、努力している。それでも、ミスは起きる。イベントや大会を準備するにあたって、主催者は特にこのことを念頭におくべきは当然であるはず。この準備をなくして大会の成功はありえない。

 さて、今回の高文連将棋部会は、その配慮がなされていたとはとても思えない。大会の組合わせを決めたり要項を作成する段階で申し込み漏れがないか点検しなかっただろうか。気づかなかったのだとすれば、ある意味、当該校の顧問の先生以上のうっかりだし、気づいていたけれど無視!なんて考えたくもない。まして、この高校は地区の新人戦でも大活躍をしていた。「参加しないの?」くらいの声掛けがあっておかしくない。申し込み忘れた顧問や学校長、署名活動までされた保護者の方々の懇願も空しく「決まった組合わせ(どのようにしたのかはわからないけど)を今から変更するのは公平性を欠くので出場不可」という報道がされていた。それもおかしな理由だ。大会当日まで半月以上もあった。他の参加校に事情を説明し、変更することくらい容易にできたことだし、そんなことで不公平だと騒ぎ立てる学校があるとも思えない。むしろ将棋好きの生徒達であれば、その高校の生徒達が参加しないことを残念に思うだろう。公平という言葉を使うなら、全ての希望する生徒を参加させてこそだろう。この大会で好成績をおさめた生徒の中には釈然としない思いを抱いた者もいるだろう。

 今回のことは生徒に全く非がないというのも特徴的である。生徒達は高文連という組織を信頼しきって仲間と研鑽を積み、その日を心待ちにしていたのだから。非は全て関係する大人達にある。大会の主役が生徒達であるならば、主催する高文連の方々は万全を尽し、万難を排して準備するのが務めではないだろうか。「もう決まった。変えようがない」と生徒を始め保護者や関係者、署名した何千名の願いを一蹴してしまったのは余りにも冷たい。何とか参加させることはできないかという立場で真摯に検討したのだろうか。不信感がぬぐえない。そもそも高文連のかかげる目標(ホームページを見たけど)に照らし合わせても今回の事態はありえない。高文連がいつから始まったのかは知らないけれど、この組織を立ち上げたとき、先生達は生徒達の学校生活を一層豊かにし、人間的な成長に大いに寄与しうるものとして大きな希望をもったのではないか。そして年々、活動の発展、成果に生徒共々喜びを共有してきたのではなかったろうか。しかし、今回の将棋大会の運営のしかた、関係者のコメントには、そういう初心が全く感じられない。自己責任とかゼロトレランス(不寛容)の考え方があったのかも知れない。こうしたことが二度とおこらぬよう対策をしっかりとってほしいと切に願う。

 えらそうなことを書いてしまったが、自分も周囲に特に子ども達に対して同じような態度をとっていることが、気づかずとも多々あるに違いない。この件を教訓にとして気を付けていきたい。

2023/12/27 「お棋楽会」に参加しませんか!

 今年も残すところあとわずか。昨年は石塚席主が亡くなり、札幌将棋センターはどうなるんだろうと心配しました。しかし、脈々と貫いてきた流れは強く、また席主の御遺志を継ごうというご家族の頑張りもあり、将棋好き、棋力向上を目指す子ども達には相変わらず素敵な居場所になっています。そして今年は、長い間慣れ親しんできた駅前近くのビルから大通りへの引っ越し。これまた移転によって来なくなる人が増えるのでは、という不安もありましたが、何の問題もなくスムーズ。むしろゆったりした感覚で将棋を楽しむことができています。私達の気付かぬところで、石塚姉妹のご苦労が多々あったことと想像します。ありがとうございます。

 さて、世間は少子高齢化が大きな問題となっていますが、札幌将棋センターは真逆で、子ども教室は相変わらず活況を呈し、中高生が数の上でも実力でも主流を占めています。その分、中高年層ががくんと減ってしまいました。40年以上もセンターにお世話になっている私も先輩や同年代の方々と手合わせできなくなって、淋しい思いをすることの多い日々です。時の流れとはこんなものかとあきらめていましたが、最近、嬉しい状況が生まれつつあります。なんと、「大人」の新参者が増えてきているのです。「退職して時間ができたから子どもの頃かじった将棋をもう一度」「ネット将棋ではもの足りなくて、"道場”で腕試ししてみたい」等々

 以前は腕前に自信があって「たのもうー」という感じで来る人が多かったように思うのですが、最近は純粋に将棋を楽しみたいという方が多いようです。でも、常連になって下さる方もいるのですが、「皆さん強すぎて相手にならなかった。」「将棋を教えてもらうという場ではないみたいですね。」と、すぐ来なくなる方も少なくありません。そういう方達にこそ将棋を続けて欲しいのに、と残念に思っていました。

 そこで、ない知恵を絞り「お棋楽会」というのを立ち上げてみました。腕に自信がなくても、同じくらいの棋力なら大いに楽しめるところが、また将棋のいいところです。そういう方達が月に一度でも一同に会することができる機会を作ってみようと考えたのです。加えて初心者の方にもできるだけ指導します。今、対象になりそうな方がいらした時に声を掛け、興味をもってくれる方も少しずつ増えてきています。これから将棋をのんびり楽しみたい。孫や子ども達と将棋を通じて交流を、と思っておられる方、ぜひ「お棋楽会」にいらっしゃいませんか。毎月第3日曜日14:00に集合です。もちろん、席料以外はかかりません。

 私の初夢は「お棋楽会」がうまく軌道に乗って、子ども達に負けないくらい、中高年の熱い対局でセンターが賑わう…というのが見られたらいいなぁ。。。 皆様、良いお年をお迎えください

2023/08/07 内助 

 準備万端。順風満帆。まさに満を持してのスタートでした。私も麦茶やおしぼりなどを出していただき「こんなにサービスのいい居心地のよい将棋道場なんて他にないよな。」なんて思いながら将棋の楽しさを満喫していました。しかし、石塚席主には想定外の誤算がいくつかあったのだと思います。

 一つはセンターや支部を運営していくにあたって計画を立て、役割分担をしたメンバーが皆、高齢であり、席主を始め、仕事をもっていたり、健康に不安を抱えていたりで、センターに足繁く通えない事情をもっていたことです。私も少なくない方々が鬼籍に入ってしまったり、入退院を繰り返していることを知っています。また、親しくしていた仲間が来なくなると、足が遠のいてしまうのも自然なことでしょう。席主も孤独感を募らせていたのではないでしょうか。

 二つ目は、運営していく上で、仕事が実に沢山あることです。受付に、お金の管理、手合い付け、カード準備、リーグ戦に関わっての表作り、景品の用意、やれ昇段昇級をどうする…。etc、etc 手合いをつけるだけでも、来ていただいた方に時間を無駄にしないように配慮、リーグ戦との兼ね合いを考える。これだけでも頭を抱える大仕事なのです。しかも、この頃からちょっとした将棋ブームになって、子ども達の参加が急に増えてきたのです。きっと、席主も頭を抱えたことでしょう。しかも相談相手は減っていく…。しかし、よくしたもので、こんな時に救いの手を差し伸べてくれたのが、席主の奥様なのです。席主がオーナーを引き受けた時に「家族に絶対迷惑をかけない。」と言ったとか。まあこれは不問にしておきましょう。おそらく将棋とは全く無縁で生きてきた奥様も最初は目を回したことでしょう。しかし、その実務能力はすばらしく、先に書いた諸々の仕事をほぼ一人でこなしていました。それ以上に私が感心するのはセンターに来てくれた方々に対する行き届いた細かな気配りです。麦茶、おしぼりもそうですけど、帰る時には一人一人に「楽しめましたか?」の声かけ。子ども達の安全や礼儀に対する配慮。古いワープロを使っての緻密な資料作り…。

 この文は席主を偲んで書いているのであまり詳しくは書けないけど、席主の思いを汲んで病弱な身体に鞭打って奮闘されていた姿には本当に頭が下がりました。そして今、その奥様を二人の娘さんがセンターの運営を引き継いでいます。素敵に工夫されたホームページ。そのお陰で新参の方や子どもたちの参加が増えています。また賞状や認定証に書かれた美しい筆文字。自分の名前を見て嬉しさが増した子もたくさんいるのではないでしょうか。お二人の特技を生かし、センターは順調に続いていくことでしょう。席主!良かったね!(おわり)